どーもXAVI.SALMIGです。

先日、伊坂幸太郎さんの小説『重力ピエロ』を読んだ際にある一部分が特に面白いと感じ、再考したいと思います。

話はラスコーの壁画についての会話でした。
そもそもラスコーと聞いて、「ああ。あれね。」と分かる人はおそらく高校時代に世界史選択だった方ではないでしょうか。
ラスコー洞窟(壁画)とは、旧石器時代のクロマニョン人(別名:新人)が活動していた範囲で広く残されている洞穴絵画のことです。受験時代にスペインのアルタミラ・フランスのラスコーと語句を覚えたと思います。
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上と下はイメージ画像です。
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このラスコー壁画について版画家エッシャーは面白い言葉を残しています。

ちなみに版画家エッシャーの作品バリエーションはだまし絵のような錯視を利用したものから、数学的・高額的なアプローチを使ったものまで幅広いです。

その言葉とは、、、『造形芸術は進化しない』

一見、「はにゃ?」となるのではないでしょうか。さっそく深掘っていきます。

人類は様々なことで「進化・発達」してきました。
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それは「科学」「機械」も共に。

私たちよりも過去に生きた先人達の教えや研究の成果等を、私たちは学び、それを一層発展させてきました。

しかし、「芸術」は異なるとエッシャーは言う。

では「芸術」はなぜ違うのか?

それはいつ・どんな時代であれ、「想像力」という私たちの持ちうる能力値は先人達から引き継ぐものではなく、常に芸術家が必死で搾り出さなければいけないと。

確かにスマートフォンやPCは年々素晴らしく進化しています。
もはや10年前の端末や機材は、使い物にならないとまで言えるでしょう。

そこで、芸術は10年前・100年前と比較して現代の芸術が素晴らしく進化しているかと言えるでしょうか。おそらくそのように考えるのは無理でしょう。
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つまり、科学のように過去の偉人の積み重ねていく業績と異なり、芸術はその都度奮闘しなくてはならない存在であると。

幼少期に美術分野(図画工作・水彩画のコンクール)で地元の県で代表になるなど、割と芸術には前向きでした。ただ当時は全く、過去の偉人の手法や作品など知るわけもなく、自身のイメージや見た風景を手元に表現していました。想像力を最大限に膨らませて。

後に中学・高校で本格的にデッサンや油絵、二点透視図法といった技法を学んでいきますが。

エッシャーの語る「想像力は引き継ぐものではなく、芸術家は常に奮闘していく」という意味を自身の幼少期の経験とうまくリンクしたため、今回非常に共感しました。

個人的な予想ではありますが、これからは芸術と科学が徐々に融合していくのではないかと思います。
上手く言語化出来ないですが、おそらくデジタル部分の発展で芸術の領域は拡がり、新しい芸術の誕生に寄与されるのではないかと。

今日はこんな感じで。

謎のグラフィティーアートと遺伝子のルールの奇妙な繋がりを紐解いていく小説『重力ピエロ』
映画もあるので、是非ご覧ください。
重力ピエロ(新潮文庫)
伊坂幸太郎
新潮社
2012-07-01





人類史関連の面白い本も合わせて紹介します。
人類史マップ サピエンス誕生・危機・拡散の全記録
バレリー・ゼトゥン
日経ナショナルジオグラフィック社
2021-01-21

銃・病原菌・鉄 上巻
ジャレド ダイアモンド
草思社
2013-07-12




銃・病原菌・鉄 下巻
ジャレド ダイアモンド
草思社
2013-07-12

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
2016-09-16